不況の影響もあって、暖房器具として湯たんぽの経済性や、その自然な温かさが注目されているのでしょうね。
湯たんぽ自体は古くからあるんです。
中国が発祥で【湯婆】と書いたのですが、日本国内に入ってから【湯】が追加され
【湯湯婆】と書かれるようになりました。
時代的には室町時代に伝わり、金属製の物が作れるようになるまでは陶器が一般的でした。
使い方は至極簡単で、熱い湯を入れ密栓し、火傷しないよう適度な布で包みます。
保温時間は湯の容量によって決まりますが、3リットルあれば一晩使えます。
伝来した当初は鉄器の鍋や釜で湯を沸かし、柄杓で汲み入れ木の栓をし、
それが抜けぬよう布を被せ、その布を湯入れ口周囲の突起部に巻きつけていました。
また湯の温度が下がると空気を含んだ内容積が減り負圧を生じるため
楔のような栓では湯入れ口から破損してしまうので、押さえつけて密栓できる構造でした。
金属製の湯たんぽは大正時代に一般化し、そのまま火に掛けられるため
比較的取り扱いが楽になりました。
また栓も金属製のネジが使われ、漏れ防止にはゴムパッキンが使われました。
一時期、電気アンカに押され激減しましたが、その経済性と保温性より
現在はプラスチック製品が主流です。
湯たんぽの歴史はここまで。
最近、湯たんぽのよる事故が多発しているんですね。
まず、中身を入れ替える必要のないプラスチック製品。
熱を与えるのに電子レンジを使いますが…
本来、電子レンジは加熱用途の調理器具には違い有りませんが、
湯たんぽの加熱は利用対象外なのです。
最初から保証されていない電子レンジの使い方なので、
利用法は説明書をよく読んで使うべきなのです。
事故としては湯たんぽ容器の破裂です。
説明書では「〇〇ワットでn分間」などと書いてあり、それを超えたり基準電力以上であれば
加熱時に破裂して当然なのです。
内部の保温材は水がベースです。
その水を電子レンジで温めるのですが、必要以上に加熱すると沸騰し気化します。
すると水蒸気が溜まり内部圧力が高まり、やがて破裂します。
また保温材のせいで、内部の液体は100℃を超える物もあります。
破裂すれば火傷は必至ですね。
また、水蒸気圧力と容器の耐圧能力で破裂するのですが、いつ破裂するかは予測できません。
取り出した時に破裂すれば大火傷を負います。
使用基準は取り扱い説明書にも書いてありますが、基本的には自動加熱モードはNGで、定められた時間、マニュアル(定出力)での加熱が必須なのです。
次に金属製湯たんぽです。
構造が金属なのでIH調理器で加熱可能です。
もちろんガス焜炉でも加熱可能なのです。
加熱する場合、開栓して加熱するのが常識です。
これを怠ると前述のように水蒸気による破裂が起こります。
容器が容器なだけに破裂の威力は凄まじく、周囲に高温の水蒸気をぶちまけます。
全身大火傷の可能性さえあります。
そもそも蓋を開け焜炉で加熱し、沸騰前後で火から下ろし密栓するのが常識です。
最近の家屋ではオール電化住宅と称し、調理器具もガスではなく電気が使われます。
そうなるとIH調理器で湯たんぽを加熱する事になります。
ガスであれ、IHであれ、加熱する事には変わりありません。
沸騰すれば水蒸気が発生し、密栓していれば破裂して当然です。
またIH調理器も調理が目的であって湯たんぽは想定外、保証外なのです。
電子レンジで生卵を爆発させた経験はありますか?
玉子内部の水分が水蒸気になるから爆発する…。
湯たんぽの破裂する原理とまるっきり同じです。
密封容器を沸騰させてはいけない
これは常識だと思うのですが、なぜこんな事故が起こるのでしょう?
沸騰すれば水分が気化し水蒸気が発生する。
液体の体積より莫大な体積の気体が発生する。
これって、小学校の理科で習う基礎的な事じゃないですか。
理屈はともかく、
沸騰させると破裂の危険がある
こんなの常識じゃないですか。
常識で考えれば判って当然な事…と思うんですけどね。
でもそういう事故が多発する…。
つまり常識が無い…いぇ無知なのかもしれません。
小学校で習った事が生かされていません。
こんな事は注意書きが無くても予測できて当然です。
電子レンジで必要以上に加熱してもIH調理器で過熱しても同じ事。
密閉液体容器をそのまま加熱すれな結果は予測できて当然じゃないでしょうか?
事故に遭われた方々にはご同情致しますが、
その原因は明らかに常識の無さという使用者の自己責任に起因する事だと思います。
湯たんぽの歴史は電気アンカよりも長く、それだけにノウハウの蓄積もあります。
自業自得とも言えますが、明らかに無知の結果だとも思います。
無知は怖いですね…



